
目立たず痛みもほとんどないマウスピース矯正とは?

マウスピース矯正を選ぶ人が増えている理由
マスク生活が歯列矯正のチャンスととらえていた人も、マスクなしとなればやはり目立つワイヤー矯正には抵抗があるもの。あらためて日常生活に制限が少なく、見た目も目立たない「マウスピース矯正」を検討している、という人が多いかもしれません。
ただし、マウスピース矯正は対応できる歯並びが限定されていることも知っておかなければなりませんし、メリットだけでなくデメリットも把握しておく必要があります。「痛みがない」「歯列矯正しているのがばれにくい」「取り外しができて治療中のトラブルが少ない」といったメリットが多いのは事実ですが、治療を決断する前にマウスピース矯正とはどのようなもので、自分に合う治療法なのかどうかを確認しておくことをおすすめします。
こんな人はマウスピース矯正が向いている
- 仕事で人と会う機会が多いため、目立つ矯正装置は避けたい
- ワイヤー矯正は痛いと聞くけど、痛みでストレスを感じるのはいやだ
- 虫歯の治療中なので、着脱可能な歯列矯正装置を使いたい
- 楽器を演奏するので、ワイヤーの矯正装置がつけられない
- 金属アレルギーがあるため、ワイヤー矯正ができない
- スポーツをしているので、運動制限のない矯正治療が受けたい
マウスピース矯正の
メリット・デメリット
マウスピース矯正には、「歯列矯正が目立たない」「痛みがほとんどなく日常生活への負担がすくない」など様々なメリットがあります。一方でマウスピース矯正が向いていない歯並びもありますし、自己管理次第で治療効果に差が出るといったデメリットもあります。
そこでここからは、マウスピース矯正のメリットとデメリットについてそれぞれ説明していきたいと思います。ご自身の治療目的や優先事項などを確認する目安としてください。マウスピース矯正の種類や費用目安についても解説しています。歯列矯正の治療法検討の参考になさってください。
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マウスピース矯正のメリット
- 矯正中であることが周囲に気づかれにくい
- 歯科医院への通院が1半から2カ月に一度ですむ
- 痛み・違和感・異物感がほとんどない
- 矯正中のトラブルが起こりにくい・対応しやすい
- 取り外し可能で口内のケアがしやすい
- 治療後のイメージを事前に確認することができる
- 矯正中もホワイトニングができる
マウスピース矯正のいちばんのメリットは、矯正中であることが他の人に気づかれにくいことです。ワイヤー(ブラケット)矯正の場合は口を開けば矯正装置が見えてしまいますが、マウスピース矯正の場合は透明の装置なのでほとんど目立ちません。
矯正装置のマウスピースは透明性の高い材質を用いるため、プラケット矯正装置に比べ話をしたり笑ったりしても周囲にばれにくいという特徴があります。歯列矯正中であることを知られたくないという人にとっては、この特徴は魅力的です。
歯列矯正の治療で問題となるのが、通院頻度。自宅や会社近くの歯科クリニックを選んでいるケースが多いと思いますが、通院回数はなるべく少なくしたいものですよね。矯正はしたけれど、忙しいので通院の時間がなかなか確保できないというお悩みもあると思います。
ワイヤー矯正の場合は1カ月に1度、必ず通院する必要があります。装置に異常や破損がないか、歯が予定通りに動いているかを確認して、不具合があれば調整して矯正治療を進めていく必要があるからです。また虫歯のチェックや矯正器具のクリーンアップをすることもあります。
一方でマウスピース矯正の場合は、その多くが1カ月半から2カ月に一度の通院でOKです。器具のメンテナンスはなく1~2週間に一度マウスピースを自分で交換していくだけなので、器具の不具合や口腔内のトラブルも発生しにくいからです。多忙を極める人にとっては、通院の負担が少ないというのもメリットのひとつです。
マウスピース型矯正装置は、プラスチックなど薄くてやわらかい樹脂製の素材を使用しているため、装着した際の痛みや違和感、異物感がほとんどありません。
一挙に歯を動かす歯列矯正法ではなく、時間をかけて段階的に歯並びを整えていく治療法であるため、矯正中に強い痛みが発生しにくいという特徴があります。
先ほども少し触れましたが、痛みに強いストレスを感じてしまうという人にとってはありがたい特徴です。
また金属アレルギーを持っている場合でも、セラミックブラケットやチタンプラケットなど素材を変えてワイヤー矯正をすることもありますが、マウスピース矯正が受けられる歯並びや症状の場合は、マウスピース矯正が治療法の第一候補になります。
マウスピース矯正では、矯正中に虫歯ができても、矯正を継続しながら虫歯の治療ができます。ワイヤー矯正の場合、装置を自分で取り外すことができないため、通院している歯科医院に行って有料で取り外さないと、虫歯治療ができません。
通常は虫歯治療を終えたタイミングで歯列矯正に入りますが、ワイヤー矯正の場合は突発的な歯の痛みへの対応がしにくい、というデメリットがあります。
一方で自分で取り外しができるマウスピース矯正の場合は、急に歯の痛みが出た場合でもマウスピースを外せば問題なく診てもらえますし、なにより口内ケアが通常通りにしっかりできるため、トラブルが起こりにくいという特徴があります。
たとえばブラケットが口の粘膜を傷つけてできてしまうため、ワイヤー矯正の場合は「カタル性口内炎」に悩まされるリスクが高いのですが、マウスピース矯正の場合はそ口内炎になってしまうリスクは低いと言えます。
マウスピース矯正は、取り外し可能な装置を使用して矯正を行います。そのため食事や歯磨きの際にも、必要に応じてマウスピースを外し、普段通りに食事や歯磨きを行えます。口内のケアがしっかりできる点は大きなメリットです。
ワイヤー矯正の場合は自分で装置を取り外すのが難しく、歯磨きがしにくい傾向があります。口内のケアがしにくいため、歯列矯正中に虫歯になるリスクがありますが、着脱自在のマウスピース矯正なら、矯正中の虫歯や歯周病リスクをおさえられます。
インビザラインなど3Dデジタル技術を用いたマウスピース矯正の場合は、あらかじめ治療中の歯の動きや、治療後の仕上がりイメージを確認することができます。
マウスピース矯正では事前に歯型を採取しますが、この際に、歯科用CTを使用して口内の3Dデータを得ることで、歯の動きを立体的に表現する3Dシミュレーション動画の作成が可能になります。
これにより、矯正治療を受ける前に治療中の流れや完成イメージが確認できるというわけです。専門知識がないからこそ、画像であらかじめ確認できると安心にもつながりますし、歯列矯正のモチベーション維持にも役立ちます。
ホワイトニングには「オフィスホワイトニング」(歯科医院で薬剤を塗布)「セルフホワイトニング」(自宅やサロンでグッズを使用)「ホームホワイトニング」(歯科医院で作ったマウスピースに薬剤を塗布して装着)という3種類の方法がありますが、着脱可能なマウスピース矯正であれば、歯を矯正しながら同時にホワイトニングも可能。
ただし、薬剤によってはしみたりムラになったりする可能性もありますので、矯正治療中のホワイトニングについては、担当医に事前に相談するようにしてください。なおワイヤー矯正の場合は装置の着脱が難しいため、矯正治療中のホワイトニングはNGとされることが多いようです。
理想的なのは、矯正治療が終わった後にホワイトニングをすること。矯正治療をしている最中は歯並びなどが原因で薬剤が行きわたらず、歯の白さにムラが出てしまうこともありますし、口内に刺激を感じやすくなることも考えられます。したがって歯並びが整ってからホワイトニングをする、というのがおすすめです。
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マウスピース矯正のデメリット
- 治療ができない歯並びや症状がある
- 叢生(そうせい/歯がデコボコしている))
- 上顎前突(出っ歯)
- 下顎前突(受け口)
- 空隙歯列(すきっ歯)
- 開咬(前歯で噛むことができない)
- 交叉咬合(クロスバイトかみ合わせの横ずれ)
- 過蓋咬合(かみ合わせが深い)
- 口元が前に出ている・口が閉じない
- 顔面非対称(左右非対称)
- 顎の骨格に大きな問題がある
- 抜歯なども含め歯を大きく動かす必要がある
- 重度の歯周病を患っている
- 埋まってしまっている歯がある
- 決められたルールを守らなければならない
- 医師によって結果に差が出る可能性がある
- 食前食後の着脱やケアが面倒
- 装置を紛失してしまうリスクがある
マウスピース矯正は汎用性の高い治療法ですが、なかには治療ができない条件や症状もあります。
たとえば以下のような場合は、マウスピース矯正が受けられない可能性が高いです。
上記のような症状や身体的特徴をお持ちの方は、マウスピース矯正が受けられない可能性があります。が、技術の高さや実績に基づいた治療プランを持っている歯科医師やクリニックもありますので、カウンセリング段階で相談できるように、ご自身の症状などについて把握しておくようにしてください。
マウスピース矯正では、1日20時間から22時間以上装着しなければ矯正効果が得られないため、きちんとルールを守ることが大事です。そのほかにもマウスピースの交換のタイミング(7日~10日ごと)、矯正治療中の口内ケアの徹底など、決められたルールがあります。
これらルールをしっかり守って治療を継続しなければ、十分な効果が得にくくなります。たとえ仕事や育児などの関係で日常生活が不規則であっても、それは同じです。自己管理次第で治療効果に差が出てしまう点は、ある意味でデメリットとも言えます。
マウスピース矯正で十分な効果を得るには装置自体の品質も重要ですが、それと併せて治療を提供する医師の技術や経験も結果を左右する重要な要素となります。ほかの歯科治療でも医師の技術による差異があるのは同じですが、マウスピース矯正の場合では「これまでにどれだけの症例を積み重ねてきたか」という実績の面で、ワイヤー矯正よりも数が少ない傾向があります。
技術や経験の少ない医師による、見通しの甘い治療計画のもとで矯正を行えば、失敗に終わる可能性もあります。マウスピース矯正で満足できる結果を得たいなら、マウスピース矯正に詳しく、歯列矯正の知識や経験が豊富な医師を選びましょう。
マウスピース矯正は、着脱自在なところがメリットですが、逆にいうと、食事や歯磨きをするたびに装置を取り外さなければならないため、着脱が面倒に感じられる場合もあるかもしれません。
とりわけ外食や会食、間食のたびに毎回マウスピースを外す作業は億劫に思えるでしょう。マウスピース矯正中はなるべく間食を控えるなど、ストレスを軽減するための対策が必要です。
マウスピースは取り外しがしやすい分、紛失しやすい装置であるとも言えます。万が一無くしてしまった場合は、決められた期間中にマウスピースの交換ができなくなり、作り直しの追加費用がかかる場合もあります。
そのため、マウスピースを外すときはケースに入れるなど自己管理の徹底が必要です。紛失してしまった場合は、すぐに歯科医院に連絡しましょう。
マウスピース型矯正装置の種類
マウスピース矯正の世界の市場規模は、2026年までに82億ドルに達する(※1)とされています。米国をはじめとした先進国では、マウスピース矯正はすでに一般的な治療法として定着しているといいます。
定期的に新しいマウスピースに代えながら、少しずつ歯を移動させていく治療法として日本でも多くの歯科医院が採用しています。適用できる症例には限りがありますが、種類によって異なります。また、費用、通院回数、装着時間もマウスピースの種類によって異なるため、それぞれの特徴について調べてまとめました。
ただし歯科医院が採用している矯正装置については、専門家である歯科医師から直接説明を受けるようにしてください。
(※1)参照元
マウスピース矯正のパイオニア企業であるインビザライン・ジャパン社のJAPAN フォーラムをWHITE CROSSがサポート(WHITE CROSS株式会社/PRTIMESプレスリリース)
インビザライン(Invisalign)
インビザラインは、米国で開発されたマウスピース型矯正装置です。これまでに世界で1500万人を超える(※2)患者の治療実績を有するマウスピース型の矯正装置(アライナー)のトップブランドです。
矯正のしくみは、自分の歯とマウスピースの差(ズレ)が生み出す力を利用して、歯と歯ぐき全体に少しずつ小さな圧力をかけ、約1~2週間ごとに新しいマウスピースと交換しながら目的の位置に移動させていくという治療法です。
世界中で普及している実績と信頼性をはじめ、適応症例が幅広い・矯正装置を一括して製作できる・通院回数が少ない・治療前後の流れを3Dでシミュレーションできる・透明性が高いため周囲に気づかれにくいなど、メリットの多さが光ります。
他方、費用が比較的高いことや、装置製作のため治療開始が遅くなるといったデメリットもあります。重度の叢生など対応できない症例もあるので、事前に適応症例の確認が必要です。
(※2)参照元
- 1日の着用時間:原則20~22時間
- 治療期間:全体矯正/2年~2年半 部分矯正/6ヶ月~1年
- 費用目安:30〜100万円程度(部分矯正:30万~60万程度、全体矯正:70万~100万程度)
インビザラインの メリット |
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インビザラインの デメリット |
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アソアライナー(Aso Aligner):(旧クリアアライナー)
アソアライナーは、日本の企業である株式会社アソインターナショナルが開発・販売しているマウスピース型の矯正装置です。ブラスチックの弾性を利用して必要な部位に緩やかな強制力を加えつつ、治療中に何度か歯型を取り、その都度新しいマウスピースを製造します。
アソアライナーには「ソフト」「ミディアム」「ハード」と3種類のプレートの硬さがあり、約140~200時間(7日~10日)装着を目処にミディアムへ移行し、ミディアムでも同様の理由から、ハードへと移行していきます。
国産であるため日本人の口に合っていることや、費用が比較的安い・痛みが少ない・他のマウスピース矯正と同様に着脱自在などのメリットがあります。
一方、複雑な動きには対応しにくいため、重度の症例改善が難しいことや、マウスピース交換のたびに毎回歯型を取らなければならない、1日17時間以上装着しないと望んだ結果が得られない、通院回数が若干多いなどのデメリットもあります。ただ現在は1回の印象採得で1ステップ、3ステップ(メーカー推奨)、5ステップの3パッケージから選択可能となり、患者の負担が軽減されています。
奥歯の噛み合わせに問題がない人の前歯の部分矯正が治療対象で、移動量が小さい軽度〜中度の歯並びの乱れの矯正に適しています。また、マウスピース矯正矯正終了後の後戻りを調整したい場合にも有効です。
- 1日の着用時間:17時間以上
- 治療期間:3ヶ月~1年半程度
- 費用目安:10~40万円程度
アソアライナーの メリット |
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アソアライナーの デメリット |
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イークライナー(eCligner)
イークライナーは、韓国製のマウスピース矯正装置「クリアライナー」の進化版です。日本ではイークライナー・ジャパン株式会社が提供しています。厚みの異なるソフト・ミディアム・ハードのマウスピースから選んで装着します。
基本コンセプトはクリアライナーをそのまま受け継ぎつつ、CAD/CAMによる3Dデータを活用したマウスピース製作の精度向上や、歯の型取りを1回で済ませられること、通院頻度を少なく(月に1回程度)できる、痛みが少ないなど、前身よりメリットを増しているのが特徴です。矯正中の虫歯治療も問題なく行えます。
一方、複雑な歯の動きには対応しにくいため、重度の不正咬合を改善するのは難しいなど、適応できない症例もあります。また、1日20時間以上装着しなければ高い効果が得られません。適応症例は、前歯の叢生、切歯の捻転、交叉咬合、空隙閉鎖、歯牙の挺出等。軽度~中度の歯列矯正に適した矯正法です。
- 1日の着用時間:20時間以上
- 治療期間:6ヶ月~1年半程度
- 費用:35万円~75万円程度
イークライナーの メリット |
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イークライナーの デメリット |
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参照元
「マウスピース矯正はどうやって選ぶ?Oh my teethがブランドカオスマップ 2021を公開!」(株式会社Oh my teeth/PRTIMESプレスリリース)
※イークライナー・ジャパン株式会社公式サイトは2023年6月時点で閉鎖されている可能性があります。
アクアシステム(Aqua System)
アクアシステムは、アメリカの大学で日本人教授によって開発されたマウスピース型矯正装置です。「アクアフレーム」と呼ばれる4種類の透明なプラスチック製のマウスピースを歯列にフィットさせ、約0.5mmずつ歯を目的の位置まで動かしながら歯並びを整えていきます。歯の動きに合わせてその都度、マウスピースを付け替えていくしくみです。
「プチ矯正」と呼ばれるタイプの矯正治療で、1~6本の前歯の軽度な不正咬合に向いています。他のマウスピース矯正と同様、取り外し可能なため、毎日の清掃が簡単で口腔内の衛生状態を良好に保てます。
また、比較的矯正費用が安いこと、通院回数が少ないこと、透明なフレームを使用するため目立ちにくく、矯正中であることを周囲に気づかれにくいのもメリットです。
一方、マウスピースの交換で毎回、歯型をとる必要があることや、適応症が限られていること、1日20時間以上装着しなければよい結果が得られないといったデメリットもあります。
- 1日の着用時間:20時間以上
- 治療期間:数ヶ月~2年程度
- 費用:20万円~50万円程度
アクアシステムの メリット |
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アクアシステムの デメリット |
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DENマウスピース
DENマウスピースは、福岡県の医師が開発した国産のマウスピース矯正装置です。治療計画に基づいて歯の型取りを行い、定期的にマウスピースを入れ替えながら徐々に歯を動かして歯列を整えていきます。
ワイヤーや金具を使用しないため、目立ちにくく、人に知られることなく歯並びを綺麗に治してことが可能です。
利点は装着時間の短さ。ほかのマウスピース矯正では20時間以上の装着が必要になるケースが多いのですが、DENマウスピースなであれば、半分以下の8~10時間(1日)程度で済みます。
矯正中の痛みが少ないこともメリットですが、来院ごとに型取りを行なうので、虫歯の治療も継続して受けることができる点も評価されています。治療期間が比較的長いこと、1日8時間以上装着しないと望む効果が得られないこと、適応できない症例もあるなどのデメリットもあります。
- 1日の着用時間:8-10時
- 治療期間:6ヶ月~2年程度 ※保定期間1~2年
- 費用:30万円~120万円程度※症状によって異なる
DENマウスピースの メリット |
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DENマウスピースの デメリット |
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オペラグラス(Operaglass)
オペラグラスは、国産のマウスピース矯正システムです。3D技術と断層画像によるシミュレーションを活用し、3~4週間に一度の間隔で歯型を採取し正確なマウスピースを製作。1ヵ月をワンクールとして1週間ずつ0.5mm・0.625mm・0.75mmと厚みの異なるマウスピースを交換しながら、少しずつ歯を動かしてニーズに沿った矯正を実現します。
厚みの違うマウスピースで徐々に歯を動かすので、痛みが出づらく確実に理想的な歯並びに近づけていきます。前歯を中心に軽度の歯列不正を適応症とし、叢生、歯牙の圧下、空隙の閉鎖、咬合誘導等の症状に対応可能です。
他のマウスピース矯正と同様に、取り外しが可能なため矯正中の口腔ケアがしやすい、製作期間が短く早いタイミングで治療を開始できる、3Dスキャナーによる高精度なマウスピースの設計・製作が可能といったメリットがあります。
重度の症例は不得手ですが、逆に軽度の症例や部分矯正には有用な矯正法です。
- 1日の着用時間:20時間以上
- 治療期間:3ヶ月~1年半程度
- 費用:30万円~60万円程度(歯並びや矯正効果により異なる)
オペラグラスのメリット |
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オペラグラスのデメリット |
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エシックス(Essix)
エシックスは、アメリカで開発されたマウスピース型矯正装置です。マウスピースの変形および細工より歯に少しずつ圧力をかけて動かすしくみで、前歯を中心とする軽度の歯列不正が適応症とし、矯正後の後戻りを改善する場合にも適しています。いわゆる部分矯正の装置です。
特徴はリーズナブルな価格。エシックスでは、専用のコンピューターを使用したり、プログラムを組んだりする必要がないため、10万円~の治療が受けられる場合もあり、ほかのマウスピース矯正より費用を安く抑えられるのが利点です。
一方、適応症が限られることや、後戻りしやすいこと、十分な効果を得るため出来るだけ長時間(24時間が理想)装着する必要があるなど、デメリットや課題もあります。
1~2本程度の部分矯正に適していますが、審美性に欠けるという意見もあります。ただ費用を抑えて部分矯正をしたいという方にはお勧めできる矯正法です。
- 1日の着用時間:20時間~24時間※食事と歯磨き時を除き常時装着が理想
- 治療期間:2~3年程度
- 費用:10万円~
エシックスのメリット |
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エシックスのデメリット |
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マウスピース矯正を行った人の口コミ
他院で矯正相談を受けましたが、私の場合は抜歯が必要で、マウスピース矯正は難しいと断られましたが、こちらでは抜歯でも大丈夫とのことで、しっかりと説明をしてもらった上でマウスピース矯正を受けています。 今のところ歯の動きも順調だということで、これからが楽しみです!
引用元:Caloo(カルー) 全国のマウスピース矯正の口コミ「スタッフさん優しいです」(https://caloo.jp/reviews/search/all/t172)
歯並び矯正で利用をしました。マウスピース矯正をしたのですが値段はやはり高かったですが少しずつ歯並びがきれいになるのが嬉しかったです。また先生や看護師さんも優しくいつも丁寧に接してくださいました。一年以上かかりましたが大体30万近くトータルでかかりましたがずっと気になっていた歯並びがきれいになったので満足しています。
引用元:Caloo(カルー) 全国のマウスピース矯正の口コミ「歯並び矯正しました」(https://caloo.jp/reviews/search/all/t172)
でこぼこの矯正でインビザラインで治療しました。3軒相談に行って、一番安心出来そうだったのでここに決めました。治療方針の話はしっかりしてくれたので、インビザラインでしたが不安なく進められたと思います。
引用元:Caloo(カルー) 全国のマウスピース矯正の口コミ「歯並び矯正しました」(https://caloo.jp/reviews/search/all/t172)
治療法は医師の提案と自分の希望の掛け合わせで選択
マウスピース矯正の種類ごとのメリットやデメリット、治療の特徴や費用などについて説明してきましたが、ここで紹介したマウスピース型矯正装置以外にもたくさんの種類があります。素人には判断が難しいため、通院の利便性や歯科医院の口コミなどでクリニックを絞り込んで、さらにその歯科医院で取り扱いのあるマウスピース型矯正装置についても確認したうえで、専門家である医師に相談することをお勧めします。
まずはカウンセリングの段階で自分の希望や優先度をきちんと伝えた上で、自分の歯の状況にどの治療法が可能で、どれが不可能かをしっかりと確認してください。そして、可能な治療法のメリット・デメリットを検討した上で最終的に自分の希望にあった治療法を決めましょう。
どうしても歯科医が提案する治療法に納得できない場合には、他院でセカンドオピニオンを求めるという方法もありです。矯正治療は費用も時間もかかるものですが、単に費用が安いからというだけで飛びついて思ったような効果が得られないという結果に泣くよりは、複数の歯科クリニックで話を聞いてじっくり治療法を決めるほうがより満足度の高い治療が受けられるからです。
本サイトでも「おすすめの矯正歯科クリニック」をいくつか紹介はしていますが、ご自身の症状や通院の利便性、治療にかけられる予算といった個々の条件を勘案したうえで、候補となるクリニックをこのサイトで探してみてください。